珍しい金環日食
金環日食は多く起こっている?
2012年5月21日には日本で金環日食が見られます。前回日本で見られたのは、1987年9月23日に沖縄で見られた金環日食でした。そして次回は2030年6月1日に北海道で見られます。
こうしてみると、思ったよりも多い頻度で起こっているように思われるかもしれません。
非常に狭いエリアで起こる現象
しかしながら、金環日食は非常に珍しい現象です。その理由は、見ることのできる範囲が非常に狭い範囲に限定されるからです。
皆既日食や金環日食が起こる頻度のページで説明していますように、観測地点を固定した場合、西暦1年から西暦3000年までの三千年間でみると、日本付近では324年に一度しか見られない計算になります。(※大ざっぱな計算で実際とは異なります。)
前回と次回の金環日食
ここで下の表をご覧ください。これは2012年の金環日食が見られる主な地点について、前回と次回、いつ金環日食が見られるかを調べたものです。
これによると、東京など関東地方では173年ぶりの現象で、今後300年間は見ることができません。名古屋や岐阜にいたっては1080年から実に932年ぶりですし、静岡でも839年ぶりです。しかし幸運なことに、これらの3地点では29年後の2041年にも見ることができます。
大阪などの近畿地方では282年ぶりとなり、今後は2312年までの300年間に一度も起こらない箇所が多くなっています。四国地方の高知では1245年に起こってから767年ぶりですが、次は83年後の2095年に見ることができます。九州南部でも163年ぶりの出来事で、今後300年間にわたって見ることができません。
その他、主な地点でいつ金環日食が見られるかは、場所別の日食一覧表をご覧ください。
2012年に金環日食が 見られる観測地点 |
前回 | 次回 |
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水戸 | 1839年09月08日 | 2386年10月24日 |
宇都宮 | 1839年09月08日 | 2386年10月24日 |
前橋 | 1839年09月08日 | 2386年10月24日 |
さいたま | 1839年09月08日 | 2312年04月08日 |
千葉 | 1839年09月08日 | 2312年04月08日 |
東京 | 1839年09月08日 | 2312年04月08日 |
横浜 | 1839年09月08日 | 2312年04月08日 |
甲府 | 1839年09月08日 | 2312年04月08日 |
静岡 | 1173年06月12日 | 2041年10月25日 |
名古屋 | 1080年12月14日 | 2041年10月25日 |
岐阜 | 1080年12月14日 | 2041年10月25日 |
津 | 1730年07月15日 | 2041年10月25日 |
大津 | 1730年07月15日 | 2041年10月25日 |
京都 | 1730年07月15日 | 2041年10月25日 |
奈良 | 1730年07月15日 | 2312年04月08日 |
和歌山 | 1730年07月15日 | 2312年04月08日 |
大阪 | 1730年07月15日 | 2312年04月08日 |
神戸 | 1730年07月15日 | 2095年11月27日 |
徳島 | 1730年07月15日 | 2095年11月27日 |
高知 | 1245年07月25日 | 2095年11月27日 |
宮崎 | 1849年02月23日 | 2312年04月08日 |
鹿児島 | 1849年02月23日 | 2312年04月08日 |
やはり珍しい金環日食
このように、各地とも金環日食は一生に一度見れたら幸運といえる、非常に珍しい天文現象です。それだけに2012年の金環日食は超がつくビッグイベント。絶対に見逃せませんね!