北海道中頓別町
中頓別町のデータ
住所 | 北海道枝幸郡中頓別町字中頓別172−6 |
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緯度 | 北緯 44゚59' |
経度 | 東経 142゚18' |
標高 | 約 24m |
日食の見え方概要
北海道中頓別町では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることはできません。
中頓別町の部分日食は6時37分17秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は26度です。高度がそこそこありますから、地球大気による影響が少なくてすみます。最大食は7時54分20秒で、高度は40度です。食分は0.812ですから、なかなかお目にかかれないくらいに大きく欠けた太陽が見られるでしょう。また終了時刻は9時21分56秒で、高度は54度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間44分39秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。
日食の始まり 6時37分17秒 | 日食の終わり 9時21分56秒 | |
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最大食のようす
最大食となる頃、中頓別町では太陽の右下側が欠けた状態になります。食分は0.812で、近年見られる日食としては、相当大きな欠け方です。
最大食 7時54分20秒 |
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最大食となる前後7分間の見え方
最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。
画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。
7分前 7時47分20秒 |
6分前 7時48分20秒 |
5分前 7時49分20秒 |
4分前 7時50分20秒 |
3分前 7時51分20秒 |
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食分 0.792 | 0.797 | 0.802 | 0.806 | 0.809 |
2分前 7時52分20秒 |
1分前 7時53分20秒 |
最大食 7時54分20秒 |
1分後 7時55分20秒 |
2分後 7時56分20秒 |
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0.811 | 0.812 | 0.812 | 0.812 | 0.811 |
3分後 7時57分20秒 |
4分後 7時58分20秒 |
5分後 7時59分20秒 |
6分後 8時0分20秒 |
7分後 8時1分20秒 |
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0.809 | 0.806 | 0.802 | 0.798 | 0.793 |
平均月縁による日食データ
皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。
表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。
データ | 時刻 | P | V | h | A |
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日食の始まり | 6時37分17秒 | 245.5 | 294.5 | 26.3 | 87.1 |
金環日食の始まり | |||||
食の最大 | 7時54分20秒 | 164.6 | 212.4 | 39.9 | 101.5 |
金環日食の終わり | |||||
日食の終わり | 9時21分56秒 | 84.3 | 123.6 | 54.2 | 123.4 |
最大食分 | 0.812 | ||||
本影中心までの距離 | 586Km | ||||
金環継続時間 | |||||
太陽リング真円率 |
日食の経過
2012年5月21日の日食で、中頓別町において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、中頓別町ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。
- 6時20分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
- 6時40分の食分は0.04です。太陽はほんのわずか欠けた程度です。肉眼でパッと見ただけでは欠けていることに気づかないかもしれません。
- 7時0分の食分は0.29です。全体の3割程度が欠けた状態です。日食が始まった直後と比べると食が進行し、少し日食らしくなってきました。
- 7時20分の食分は0.53です。直径のおよそ半分が欠けるところまで進行してきました。しかし、空はまだそれほど暗くなっておらず、太陽が欠けていることに気づかない人も多いでしょう。
- 7時40分の食分は0.74です。太陽視直径の7割まで欠けてきて、大きな日食であることを予感させます。日食はピークが近づいています。
- 7時54分20秒に最大食を迎えます。食分は0.812で、中頓別町では大きな部分日食が見られます。
- 8時0分の食分は0.80です。太陽は全体の2割ほどしか光っておらず、まだまだ大きく欠けた日食状態が継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
- 8時20分の食分は0.64です。まだ全体の6割くらい欠けていますが、太陽からの光量は普段のおよそ半分のところまで戻ってきました。
- 8時40分の食分は0.43です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
- 9時0分の食分は0.22です。太陽直径のおよそ5分の1だけが欠けた状態です。日食も終盤になりました。
- 9時20分の食分は0.02です。太陽はほんのわずか欠けた程度です。日食も終わりまであとわずかです。
- 9時40分の食分はありません。日食は終了しました。
6時0分 | 6時10分 | 6時20分 | 6時30分 | 6時40分 | 6時50分 |
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食分 0.035 | 0.164 |
7時0分 | 7時10分 | 7時20分 | 7時30分 | 7時40分 | 7時50分 |
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0.289 | 0.411 | 0.529 | 0.640 | 0.739 | 0.804 |
8時0分 | 8時10分 | 8時20分 | 8時30分 | 8時40分 | 8時50分 |
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0.799 | 0.731 | 0.637 | 0.536 | 0.432 | 0.328 |
9時0分 | 9時10分 | 9時20分 | 9時30分 | 9時40分 | 9時50分 |
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0.225 | 0.122 | 0.020 |
太陽が見える位置
下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。中頓別町で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ3度の位置に見えます。高度は26度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。最大食の頃になると、太陽は真東から南の方向へ11度の位置まで移動します。高度は40度で、空の中ほどに見えます。日食観察するにはちょうどよい高さでしょう。日食が終わる頃には南東から東の方向へ12度の位置にやってきます。また、高度は54度で、空の中ほどに見えますが、少し見上げるような高さです。
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日食中に見える星
上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。
ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、真東から北の方向へ12度のところです。高度は27度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。
太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。