日食ナビ

現在位置

北海道標茶町

住所 北海道川上郡標茶町川上4−2
緯度 北緯 43゚18'
経度 東経 144゚36'
標高 約 29m

北海道標茶町では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることはできません。

標茶町の部分日食は6時34分26秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は27度です。高度がそこそこありますから、地球大気による影響が少なくてすみます。最大食は7時53分22秒で、高度は42度です。食分は0.866ですから、三日月のように細くなった珍しい太陽の形を観察できるでしょう。また終了時刻は9時23分45秒で、高度は57度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間49分20秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。

 

日食の始まり 6時34分26秒 日食の終わり 9時23分45秒

欠け始め:6時34分26秒

欠け終わり:9時23分45秒

最大食となる頃、標茶町では太陽の右下側が欠けた状態になります。食分は0.866で、近年見られる日食としては、相当大きな欠け方です。

 

最大食 7時53分22秒

最大食:7時53分22秒、食分:0.866

最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。

画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。

 

7分前

7時46分22秒

6分前

7時47分22秒

5分前

7時48分22秒

4分前

7時49分22秒

3分前

7時50分22秒

食分 0.839 0.845 0.851 0.856 0.861

2分前

7時51分22秒

1分前

7時52分22秒

最大食

7時53分22秒

1分後

7時54分22秒

2分後

7時55分22秒

0.864 0.865 0.866 0.865 0.864

3分後

7時56分22秒

4分後

7時57分22秒

5分後

7時58分22秒

6分後

7時59分22秒

7分後

8時0分22秒

0.861 0.857 0.852 0.846 0.839

皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。

表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。

 

データ 時刻 P V h A
日食の始まり 6時34分26秒 248.3 299.3 27.4 87.3
金環日食の始まり          
食の最大 7時53分22秒 164.2 213.9 41.7 101.7
金環日食の終わり          
日食の終わり 9時23分45秒 80.8 120.6 56.8 124.9
最大食分 0.866
本影中心までの距離 387Km
金環継続時間  
太陽リング真円率  

2012年5月21日の日食で、標茶町において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、標茶町ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。

 

  • 6時20分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
  • 6時40分の食分は0.07です。わずかに欠けた程度ですが、よく見ると肉眼でも太陽が欠けていることがわかるでしょう。
  • 7時0分の食分は0.32です。全体の3割程度が欠けた状態です。日食が始まった直後と比べると食が進行し、少し日食らしくなってきました。
  • 7時20分の食分は0.56です。全体の6割くらいまで欠け、太陽からの光量は普段の半分程度にまで減少しています。屋外にいる人は、空が暗くなってきていることに、そろそろ気づき始めます。
  • 7時40分の食分は0.78です。全体の8割近くまで欠けてきました。空も少し暗くなってきて、明るい金星くらいなら、肉眼でもなんとか見つけられるでしょう。日食はピークが近づいています。
  • 7時53分22秒に最大食を迎えます。食分は0.866で、標茶町では大きな部分日食が見られます。
  • 8時0分の食分は0.84です。太陽は全体の2割ほどしか光っておらず、まだまだ大きく欠けた日食状態が継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
  • 8時20分の食分は0.65です。最大食の頃と比べると、太陽はだいぶ太くなってきました。
  • 8時40分の食分は0.45です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
  • 9時0分の食分は0.24です。太陽直径のおよそ5分の1だけが欠けた状態です。日食も終盤になりました。
  • 9時20分の食分は0.04です。太陽はほんのわずか欠けた程度です。日食も終わりまであとわずかです。
  • 9時40分の食分はありません。日食は終了しました。
  •  

6時0分 6時10分 6時20分 6時30分 6時40分 6時50分
        食分 0.072 0.199
7時0分 7時10分 7時20分 7時30分 7時40分 7時50分
0.324 0.446 0.564 0.679 0.784 0.859
8時0分 8時10分 8時20分 8時30分 8時40分 8時50分
0.842 0.756 0.655 0.551 0.446 0.343
9時0分 9時10分 9時20分 9時30分 9時40分 9時50分
0.240 0.138 0.037      

下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。標茶町で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ3度の位置に見えます。高度は27度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。最大食の頃になると、太陽は真東から南の方向へ12度の位置まで移動します。高度は42度で、空の中ほどに見えます。日食観察するにはちょうどよい高さでしょう。日食が終わる頃には南東から東の方向へ10度の位置にやってきます。また、高度は57度で、大きく見上げるような高い位置に見えます。

 

北海道標茶町で太陽が見える方向

上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。

ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、真東から北の方向へ11度のところです。高度は28度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。

太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。

 

2012年金環日食