兵庫県明石市
明石市のデータ
住所 | 兵庫県明石市中崎1−5−1 |
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緯度 | 北緯 34゚39' |
経度 | 東経 135゚00' |
標高 | 約 3m |
日食の見え方概要
兵庫県明石市では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることができます。金環が始まる時間は7時28分59秒、終わる時間は7時29分57秒で、58秒間継続します。つまり継続時間は1分間に満たず、きわどい金環日食といえます。
明石市の部分日食は6時17分5秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は15度です。高度がそこそこありますから、地球大気による影響が少なくてすみます。最大食は7時29分29秒で、高度は30度です。食分は0.940で、先にも書きましたように金環日食が見られます。また終了時刻は8時53分33秒で、高度は47度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間36分28秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。
日食の始まり 6時17分5秒 | 日食の終わり 8時53分33秒 | |
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金環日食のようす
明石市で金環日食が始まる頃、太陽の右下側が最も細くなっています。最大食の頃になっても右下側が細くなっていることに変わりはありません。このことは金環日食が終わる頃でも同じで、金環食中はずっと右下側が細い状態が続きます。これは金環状態がごく短時間で終わってしまうためです。明石市は金環帯の端の方に位置するため、金環日食中は太陽の環がとぎれとぎれになるベイリービーズ状態が長く継続します。このようすをじっくり観察しましょう。
明石市における太陽リングの真円率は2.0%です。明石市は限界線に近いため、ギリギリのきわどい金環日食となります。また[平均月縁]による予報値よりも実際の継続時間はもう少し短くなると考えられます。少し大きめの月縁で計算した[大きめの月縁による金環日食データ]の表をご覧いただいた方がよいでしょう。
金環開始 7時28分59秒 | 最大食 7時29分29秒 | 金環終了 7時29分57秒 |
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最大食となる前後7分間の見え方
最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。
画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。
7分前 7時22分29秒 |
6分前 7時23分29秒 |
5分前 7時24分29秒 |
4分前 7時25分29秒 |
3分前 7時26分29秒 |
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食分 0.876 | 0.888 | 0.900 | 0.911 | 0.921 部分食 |
2分前 7時27分29秒 |
1分前 7時28分29秒 |
最大食 7時29分29秒 |
1分後 7時30分29秒 |
2分後 7時31分29秒 |
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0.931 部分食 | 0.937 部分食 | 0.940 金環食 | 0.937 部分食 | 0.931 部分食 |
3分後 7時32分29秒 |
4分後 7時33分29秒 |
5分後 7時34分29秒 |
6分後 7時35分29秒 |
7分後 7時36分29秒 |
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0.922 部分食 | 0.911 | 0.901 | 0.889 | 0.878 |
平均月縁による日食データ
皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。金環日食の場合、月の高い山が太陽リングから突き出てしまって、環が完全につながらないことがあります。特に金環帯の端の地域では、次の項目で示す「大きめの月縁」を使った計算結果を用いた方がよいでしょう。
表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。
データ | 時刻 | P | V | h | A |
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日食の始まり | 6時17分 5秒 | 252.3 | 310.7 | 15.4 | 75.8 |
金環日食の始まり | 7時28分59秒 | 175.0 | 236.0 | 30.0 | 85.0 |
食の最大 | 7時29分29秒 | 163.2 | 224.3 | 30.1 | 85.1 |
金環日食の終わり | 7時29分57秒 | 152.0 | 213.1 | 30.2 | 85.2 |
日食の終わり | 8時53分33秒 | 74.7 | 135.3 | 47.3 | 97.4 |
最大食分 | 0.940 | ||||
本影中心までの距離 | 111Km | ||||
金環継続時間 | 0分58秒 | ||||
太陽リング真円率 | 2.0% |
大きめの月縁による金環日食データ
平均月縁よりもやや大きめの月縁で独自に計算した金環日食データです。一般的な平均月縁で計算するよりも、少しきつめに時刻計算されますので、特に限界線付近の観測地では、こちらのデータを参照された方がよいでしょう。また、限界線から離れていたり、中心線に近い観測地であっても、月面の凹凸を考慮した精密な計算値に近くなり、こちらのデータを参照された方が良いケースが多くなります。
データ | 時刻 | P | V | h | A |
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金環日食の始まり | 7時29分17秒 | 167.8 | 228.8 | 30.0 | 85.1 |
金環日食の終わり | 7時29分39秒 | 159.2 | 220.2 | 30.1 | 85.1 |
金環継続時間 | 0分22秒 | ||||
太陽リング真円率 | 0.3% |
日食の経過
2012年5月21日の日食で、明石市において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、明石市ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。
- 6時0分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
- 6時20分の食分は0.04です。太陽はほんのわずか欠けた程度です。肉眼でパッと見ただけでは欠けていることに気づかないかもしれません。
- 6時40分の食分は0.32です。全体の3割程度が欠けた状態です。日食が始まった直後と比べると食が進行し、少し日食らしくなってきました。
- 7時0分の食分は0.59です。全体の6割くらいまで欠け、太陽からの光量は普段の半分程度にまで減少しています。屋外にいる人は、空が暗くなってきていることに、そろそろ気づき始めます。
- 7時20分の食分は0.85です。全体の8割を超えるところまで欠けてきました。空も少し暗くなってきて、明るい金星くらいなら、肉眼でもなんとか見つけられるでしょう。日食はピークが近づいています。
- 7時29分29秒に最大食を迎えます。食分は0.940で、明石市では金環日食が見られます。
- 7時40分の食分は0.84です。太陽は全体の2割ほどしか光っておらず、まだまだ大きく欠けた日食状態が継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
- 8時0分の食分は0.60です。まだ全体の6割くらい欠けていますが、太陽からの光量は普段のおよそ半分のところまで戻ってきました。
- 8時20分の食分は0.37です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
- 8時40分の食分は0.15です。わずかに欠けた程度で、日食も終わりが近づきました。
- 9時0分の食分はありません。日食は終了しました。
6時0分 | 6時10分 | 6時20分 | 6時30分 | 6時40分 | 6時50分 |
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食分 0.042 | 0.182 | 0.320 | 0.456 |
7時0分 | 7時10分 | 7時20分 | 7時30分 | 7時40分 | 7時50分 |
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0.589 | 0.719 | 0.846 | 0.939 部分食 | 0.836 | 0.717 |
8時0分 | 8時10分 | 8時20分 | 8時30分 | 8時40分 | 8時50分 |
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0.598 | 0.482 | 0.368 | 0.256 | 0.146 | 0.038 |
9時0分 | 9時10分 | 9時20分 | 9時30分 | 9時40分 | 9時50分 |
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太陽が見える位置
下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。明石市で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ14度の位置に見えます。高度は15度で、比較的低い位置です。最大食の頃になると、太陽は真東から北の方向へ5度の位置まで移動します。高度は30度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。日食が終わる頃には真東から南の方向へ7度の位置にやってきます。また、高度は47度で、空の中ほどに見えますが、少し見上げるような高さです。
日食中に見える星
上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。
ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、北東から東の方向へ22度のところです。高度は14度で、低い場所に見えます。障害物があると見えなくなってしまうかもしれませんので注意しましょう。
太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。