鹿児島県与論町
与論町のデータ
住所 | 鹿児島県大島郡与論町茶花32−1 |
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緯度 | 北緯 27゚03' |
経度 | 東経 128゚25' |
標高 | 約 11m |
日食の見え方概要
鹿児島県与論町では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることはできません。
与論町の部分日食は6時7分10秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は6度です。与論町は日本の中では南西に位置しているため、他の地域よりも日食の始まりが早くなります。このため太陽高度も10度を切って、観測条件が少し悪くなります。最大食は7時14分24秒で、高度は20度です。食分は0.911ということで、月によって深くえぐられて細くなった太陽のようすを観察できるでしょう。また終了時刻は8時32分7秒で、高度は37度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間24分57秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。
日食の始まり 6時7分10秒 | 日食の終わり 8時32分7秒 | |
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最大食のようす
最大食となる頃、与論町では太陽の左上側が欠けた状態になります。食分は0.911で、近年見られる日食としては、相当大きな欠け方です。
最大食 7時14分24秒 |
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最大食となる前後7分間の見え方
最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。
画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。
7分前 7時7分24秒 |
6分前 7時8分24秒 |
5分前 7時9分24秒 |
4分前 7時10分24秒 |
3分前 7時11分24秒 |
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食分 0.858 | 0.869 | 0.880 | 0.890 | 0.899 |
2分前 7時12分24秒 |
1分前 7時13分24秒 |
最大食 7時14分24秒 |
1分後 7時15分24秒 |
2分後 7時16分24秒 |
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0.905 | 0.910 | 0.911 | 0.910 | 0.905 |
3分後 7時17分24秒 |
4分後 7時18分24秒 |
5分後 7時19分24秒 |
6分後 7時20分24秒 |
7分後 7時21分24秒 |
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0.899 | 0.890 | 0.881 | 0.870 | 0.859 |
平均月縁による日食データ
皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。
表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。
データ | 時刻 | P | V | h | A |
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日食の始まり | 6時 7分10秒 | 257.6 | 321.0 | 5.7 | 70.2 |
金環日食の始まり | |||||
食の最大 | 7時14分24秒 | 343.4 | 51.2 | 20.1 | 76.9 |
金環日食の終わり | |||||
日食の終わり | 8時32分 7秒 | 69.1 | 140.1 | 37.1 | 84.3 |
最大食分 | 0.911 | ||||
本影中心までの距離 | 212Km | ||||
金環継続時間 | |||||
太陽リング真円率 |
日食の経過
2012年5月21日の日食で、与論町において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、与論町ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。
- 6時0分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
- 6時20分の食分は0.19です。太陽直径のおよそ5分の1だけが欠けた状態です。肉眼で見ても日食だと実感できる食分です。
- 6時40分の食分は0.49です。直径のおよそ半分が欠けるところまで進行してきました。しかし、空はまだそれほど暗くなっておらず、太陽が欠けていることに気づかない人も多いでしょう。
- 7時0分の食分は0.76です。全体の8割近くまで欠けてきました。空も少し暗くなってきて、明るい金星くらいなら、肉眼でもなんとか見つけられるでしょう。日食はピークが近づいています。
- 7時14分24秒に最大食を迎えます。食分は0.911で、与論町では大きな部分日食が見られます。
- 7時20分の食分は0.87です。太陽の9割ほどが欠けた状態です。大きな日食が引き続き継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
- 7時40分の食分は0.63です。まだ全体の6割くらい欠けていますが、太陽からの光量は普段のおよそ半分のところまで戻ってきました。
- 8時0分の食分は0.38です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
- 8時20分の食分は0.14です。わずかに欠けた程度で、日食も終わりが近づきました。
- 8時40分の食分はありません。日食は終了しました。
6時0分 | 6時10分 | 6時20分 | 6時30分 | 6時40分 | 6時50分 |
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食分 0.043 | 0.193 | 0.341 | 0.485 | 0.627 |
7時0分 | 7時10分 | 7時20分 | 7時30分 | 7時40分 | 7時50分 |
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0.763 | 0.886 | 0.874 | 0.754 | 0.628 | 0.503 |
8時0分 | 8時10分 | 8時20分 | 8時30分 | 8時40分 | 8時50分 |
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0.380 | 0.259 | 0.140 | 0.024 |
9時0分 | 9時10分 | 9時20分 | 9時30分 | 9時40分 | 9時50分 |
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太陽が見える位置
下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。与論町で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ20度の位置に見えます。高度は6度で、かなり低い方向に見えます。地平線付近まで見渡せるような、見晴らしの良い場所から観察してください。最大食の頃になると、太陽は真東から北の方向へ13度の位置まで移動します。高度は20度で、比較的低い位置です。日食が終わる頃には真東から北の方向へ6度の位置にやってきます。また、高度は37度で、空の中ほどに見えます。日食観察するにはちょうどよい高さでしょう。
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日食中に見える星
上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。
ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、北東から東の方向へ16度のところです。高度は2度で、非常に低い位置にあります。地平線まで見通せる場所から観察してください。それから、地球の大気による減光を受けますので、観測するには少し不利な条件といえます。
太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。