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サロス周期

サロス周期

優秀な日食周期

サロス周期は日食の周期で最も有名です。それというのも周期が短い割に、前回と同じような日食が長期間にわたって次々と再現されるからです。サロス周期は223朔望月(=6585.32日)が19食年(=6585.78日)に近いため、6585.32日ごとに日食が起こるというものです。この日数は18年11日と3分の1日です。

それにしても紀元前3世紀から紀元前2世紀頃、すでにギリシャの天文学者に知られていたというから驚きです。

特徴
1年という単位で見ると前回と日付が11日しかズレない。
つまり地球と太陽の距離にあまり差がない。
239近点月(=6585.55日)とあまり差がない。よって地球と月の距離にあまり差がない。
1サロス周期がたっても食年との差が0.46日しかない。よって周期性を長い間維持できる。

このようにサロス周期は、周期が短い割には優秀な日食周期ということができます。ただ、周期に3分の1日がつきますから、1周期後に同じ観測地点で日食を見ることはできません。前回から西へ120度(正確には115.6度)ほど移動した地点で日食が起こることになります。

サロス周期の例

ここで継続時間が長い皆既日食を調べてみましょう。西暦1901年から2100年までの間に起こる日食のうち、最も長い皆既日食は、1955年6月20日に起こった7分8秒でした。次に2位と3位を調べてみると、1937年6月8日と1973年6月30日に起こっており、それぞれ7分4秒です。つまり、1937年から18年周期で3回も立て続けに7分を超える長い皆既日食が起こったことになります。このように、サロス周期は同じような性質の日食が何度も再現される点で、極めて優秀であることがわかります。

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