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食分0.95

食分0.95

空は夕暮れ

食分0.95の太陽
食分0.95の太陽の欠け方

食分が0.95を超えて、いよいよ皆既日食が目前にせまってくると、空が薄暗く夕暮れのようになり、日食がピークを迎えつつあることを予感させます。そして、いろいろな現象が一気に起こります。

本影錐とシャドーバンド

まず本影錐といって、月が創りだした巨大な影が太陽の方向へ迫ってきます。この影が太陽に重なるとダイヤモンドリグが見られます。

また皆既の2、3分前になると、シャドーバンドと呼ばれる現象が見られることがあります(※)。これは縞模様状に薄い影が、地表面を速い速度で流れていく現象です。シャドーバンドは原理的には日食でなくても見られるはずなのですが、普段は太陽の光が強すぎて見ることができません。これが皆既日食の直前・直後になると太陽光が弱まって、見ることができるようになるのです。

※シャドーバンドは皆既日食の際に必ず見られるというわけではありません。

気温の変化

ここまで食分が大きくなると気温も下がってきます。大雑把にいうと皆既になった時の温度は、日食がない時の気温と比べて2度から5度程度低くなるようです。もちろん日食が起こる季節や地域、時間帯などの条件によって異なります。

下のグラフは2009年7月22日に起こった皆既日食の際、中国の武漢市で実際に観測された気温です。この例では日食開始から皆既にかけて、2.5度ほどの気温低下が見られます。暑い時期で気温が上がってくる午前中に起こった日食ということもあって、気温の低下はやや少なめとなっています。

2009年皆既日食時の気温変化
皆既日食時の気温変化を表したグラフ
画像提供:渡部剛さん
日付:2009年7月22日 7時42分から10時47分、5分間隔
場所:中国 武漢市
二次利用不可
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