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コロナ(太陽コロナ)

コロナ(太陽コロナ)

皆既日食になると黒い太陽の周囲に真珠色をした輝くベールのような光が取り巻きます。見た者全てがその美しさに驚かされて酔いしれますが、これはコロナ(太陽コロナ)と呼ばれています。

コロナとは

コロナは太陽の彩層から外側を取り巻く薄いガスの層です。温度は百万度以上あるという超がつく高温です。太陽表面温度が6千度しかないのにどうしてこれほどコロナが高温なのか、まだよくわかっていません。

明るさ

コロナは高温ですが密度は希薄です。このため太陽の明るさと比べて100万分の1程度の明るさしかありません。最も明るい部分でも満月程度の明るさですから、普段はまぶしい太陽の光球に邪魔をされて、肉眼で見ることはできません。コロナグラフと呼ばれる装置を使うと皆既日食でなくても観測することができますが、非常に高価で一般的なものではありません。

太陽活動との関係

コロナの広がり方は太陽活動に影響されます。下の写真をご覧ください。太陽の活動が活発な極大期には同心円状に広がりますが、活発でない極小期は太陽の赤道方向に広がります。

 

極大期のコロナ   極小期から中間型のコロナ  
極大期コロナの写真   極小期から中間型コロナの写真
撮影者:草野敬紀さん   撮影者:草野敬紀さん
撮影日:1999年8月11日   撮影日:2006年3月29日
場所:トルコ   場所:リビア
二次利用不可   二次利用不可

 

コロナは基本的に電気を帯びていますから、太陽磁場の影響を大きく受け、磁力線の形を反映しています。このためいくつも細い光の筋ができます。そしてこれらが集まって、複雑で微細なコロナの構造を作り出しています。

形が変わる時間

コロナが長く伸びた部分は流線(ストリーマ)と呼ばれており、太陽半径の4倍から5倍もの広がりがあります。短い皆既日食の間にこの形が変わることはほとんどなく、変化がわかるのには何十分もかかります。

写すだけなら写真撮影は簡単

コロナを撮影するのは意外に簡単です。それというのも適正露出というものがあまりないからです。大ハズレな露出を選択しない限り、それなりに味のある写真になります。露出時間が短い場合は太陽付近にある明るいコロナだけが写ります。逆に露出時間が長い場合は、大きく広がったコロナが写りますが、太陽の近くは露出オーバーではっきりと写らなくなります。詳しくはコロナを撮影のページをご覧ください。

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