皆既日食や金環日食が起こる頻度
起こりにくい皆既日食と金環日食
皆既日食や金環日食はかなり珍しい現象です。地球規模でみると毎年のように起こっているのですが、何しろ皆既帯や金環帯の面積は地球全体の面積と比べると極めて狭いものです。このため観測地点を一箇所に固定すると、非常に起こりづらい現象になってしまいます。
当サイトでは独自に西暦1年から西暦3000年までの三千年間に、皆既日食や金環日食が日本全国52地点で何回見ることができるかを調べました。その平均値を算出したのが次の表です。それによるとこの期間、皆既日食は480年に一度の現象であり、金環日食は324年に一度の現象となります。各地点で実際にいつ見られるかは、場所別の皆既日食と金環日食一覧表で紹介してます。
平均算出値 | 皆既日食 | 金環日食 |
---|---|---|
三千年間に起こる回数 | 6.3回 | 9.3回 |
何年に一度起こるか | 480年 | 324年 |
注1: 地点のとり方にムラがあるため、必ずしも正しい平均値とは言えないところがあります。
注2: NASAのデータに基づいています。他で計算された結果と違っていることも考えられます。
注3: データの妥当性について検証しているわけではありませんのでご了承ください。
天文学者ヤングの試算
アメリカのヤングという天文学者は、簡単な計算により、皆既日食が起こる頻度を試算しました。それによると、全地球規模で考えると、18年間の間に皆既日食は10回起こります。それぞれ皆既帯の幅は160Kmほどで、この面積は地球全体の200分の1に相当します。ですから、
(10回 ÷ 18年) ÷ 200 = 360分の1
つまり、360年に1度の割合で皆既日食が起こることになります。
統計調査による頻度
さらに、1898年から2510年の日食を使った統計的な調査によると、皆既日食は340年に1度の割合で起こるのだそうです。
どちらが起こりやすいか
それでは皆既日食と金環日食ではどちらが起こりやすいのでしょうか。先の試算では金環日食の方が起こりやすいように思いますが、NASAが提供する5000年間に起こる日食一覧により調べてみました。
それによると、期間中に日食が11898回起こりますが、その内訳をみると、部分日食は4200回、金環日食は3956回、皆既日食は3173回、金環皆既日食は569回となっています。つまり、皆既日食よりも金環日食の方が頻度的に多くなっています。実際、月の平均距離の位置だと本影は地球へ届きませんので、ある意味当然の結果といえるでしょう。