ダイヤモンドリング撮影
神秘的な輝きを放つダイヤモンドリングを写真に収めたい。そう考える方も多いでしょう。ここではダイヤモンドリングを撮影する際に気をつける事柄を説明します。
短いシャッターチャンス
ダイヤモンドリングは皆既日食の始まりと終わりで見られる現象です。月縁の一部から太陽光が漏れ出して光り輝くのですが、これは1秒や2秒で終わってしまうものではありません。かといって1分間も持続するわけではなく、短時間で終わってしまいます。ですからこの一瞬を逃さないようにしなければなりません。
下の写真は2006年リビア皆既日食で、第2接触と第3接触の頃を連続撮影したものです。たったの5秒間でダイヤモンドリングの輝き方が大きく違っていることがわかります。
第2接触、第3接触時に連続撮影したダイヤモンドリング |
撮影者:草野敬紀さん |
撮影日:2006年3月29日 |
場所:リビア |
二次利用不可 |
NDフィルターを外す
皆既が終わる第三接触時は問題ないのですが、皆既が始まる第二接触時にダイヤモンドリングを撮影する場合は、NDフィルターを外しておく必要があります。間際になってあわてないよう、皆既が始まる時間が近づいてきたら、少し時間に余裕を持って外しておくのがよいでしょう。
また、NDフィルターをつけた場合と外した場合ではピント位置がずれることがあります。フィルターを外したら必ず、ピントがずれていないかを確認するようにします。
連写を活用
デジタル一眼レフカメラには連写機能があります。ハイレベルな機種になると、高速連写ができるものもあります。この機能を活用して小刻みにシャッターを切ることで、好みの大きさのダイヤモンドリングを得ることができます。この結果、失敗を減らすことができるでしょう。
注意していただきたいのは、メモリへの書き込みに意外と時間がかかり、思ったほど高速に撮影できないケースがあることです。データ量が多くなるraw形式の画像にすると、顕著に現れる場合もあります。どのくらいまで継続して連写が可能か、事前にリハーサルをして確認しておかれることをおすすめします。
肉眼で見続けないこと
ダイヤモンドリングはわずかの光だと思われがちですが、実際は非常に明るい太陽の一部です。美しさに見とれて肉眼で見続けるのは目によくありませんから注意しましょう。