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日食での露出時間

日食での露出時間

露出時間表

日食中の太陽を写真撮影する際に露出時間をどのくらいに設定すればよいか。NASAより提供される数値をもとに下表に掲載しました。太陽高度、空の透明度、雲の有無などの条件によって、露出時間が大きく異なることも十分考えられます。あくまでも目安ということで参考にしていただければと思います。

 

日食での適正露出表
ISO Fナンバー
25 1.4 2 2.8 4 5.6 8 11 16 22
50 2 2.8 4 5.6 8 11 16 22 32
100 2.8 4 5.6 8 11 16 22 32 44
200 4 5.6 8 11 16 22 32 44 64
400 5.6 8 11 16 22 32 44 64 88
800 8 11 16 22 32 44 64 88 128
1600 11 16 22 32 44 64 88 128 176
撮影対象 露出
指数
露出時間
部分食(ND4.0)※1 11 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125
部分食(ND5.0)※1 8 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15
ベイリー・ビーズ※2 11 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1250 1/125
彩層 10 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60
プロミネンス 9 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30
コロナ(r×0.1) 7 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
コロナ(r×0.2) 5 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2
コロナ(r×0.5) 3 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1 2
コロナ(r×1.0) 1 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8
コロナ(r×2.0) 0 1/15 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 16
コロナ(r×4.0) -1 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 15 30
コロナ(r×8.0) -3 1/2 1 2 4 8 15 30 60 120

※1 金環日食を含む

※2 ダイヤモンドリングも同等

注:r=太陽の視半径

表の見方

上の表は一見すると難しそうに見えますが、そんなことはありません。見方を簡単に説明しましょう。ここでは仮にISO感度を100、Fナンバー(絞り値)を11、部分日食をND4.0のNDフィルターを使って撮影するとしましょう。

 

まず表の上側部分を参照します。ISO感度は100ですから、ISO感度が100の行を右側へたどります。Fナンバーは11ですから、11と書かれた列を見つけます。

 

今度は表の下側部分を参照します。先に見つけた列を下方向へたどりましょう。部分日食をND4.0のNDフィルターを使って撮影する場合、1/2000と書かれていますから、シャッタースピードを2000分の1秒に設定すればよいことがわかります。

適正露出時間の計算

NASAのフレッド・エスペナク氏は2006年に、日食写真における適正露出時間の計算式を示しました。上表はこの計算式に基づいたものです。

t = F ^ 2 ÷ ( I × 2 ^ Q )

 ^: 累乗を表す

 t: 露出時間

 F: レンズの明るさ(Fナンバー)

 I: ISO感度

 Q: 露出指数、上表参照

太陽の輪郭を重視する場合の露出

上表は太陽黒点をハッキリと写すための露出時間です。この場合、太陽の周辺部が露出不足になって、少しぼやけてしまいます。食分が大きくなってきて太陽の輪郭をハッキリと写したいといった場合は、上表の4倍程度を目安に露出を長い目に与えるとシャープに写ります。

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