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皆既日食で見られる現象

皆既日食で見られる現象

皆既日食では特異な現象がたくさん見られます。皆既中の短い時間にいろいろなことが起こりますから、一度の日食で全部観察してしまうのは難しいかもしれません。欲張らずにターゲットを決めて一つずつ挑戦しましょう。

コロナ(太陽コロナ)

2009年皆既日食時のコロナ
コロナの写真
撮影者:山本海行さん
撮影日:2009年7月22日
場所:北硫黄島近海
二次利用不可

皆既日食になると黒い太陽の周囲に、真珠色をした輝くベールのような光が取り巻きます。これはコロナ(太陽コロナ)と呼ばれています。コロナの明るさは満月くらいしかありません。普段はまぶしい太陽光に邪魔をされますから、肉眼では皆既日食の時だけしか見ることができません。

ダイヤモンドリング

2009年皆既日食開始の
ダイヤモンドリング
ダイヤモンドリングの写真
撮影者:山本海行さん
撮影日:2009年7月22日
場所:北硫黄島近海
二次利用不可

ダイヤモンドリングは部分日食と皆既日食の境界で起こります。つまり、皆既日食を迎える第2接触の直前と皆既日食が終わる第3接触の直後、月の谷間からわずかに太陽の光が漏れてしまいます。この時、黒い太陽の一部だけが小さく光り輝くのがダイヤモンドリングです。非常に美しい現象ですから、絶対に見逃さないようにしなければなりません。

プロミネンス

1991年の皆既日食で見られた
プロミネンス
プロミネンスの写真
撮影者:森友和さん
撮影日:1991年7月11日 18時52分
場所:メキシコ サンホセデルカボ
二次利用不可

プロミネンスは太陽の縁から炎が立ち上るように見える現象です。これは特殊な装置を使わない限り、皆既日食の時を除いて肉眼で見ることはできません。次に紹介する彩層は皆既が始まると短時間で見えなくなってしまいますが、大きなプロミネンスは引き続き観測することができます。

彩層

2009年の皆既日食で見られた彩層
彩層の写真
撮影者:大越治さん
撮影日:2009年7月22日
場所:北硫黄島近海
二次利用不可

皆既となった直後、もしくは皆既が終わる直前に、黒い太陽の縁にごく薄く赤色に輝いている層を観測することができます。これは彩層と呼ばれています。層の厚さが非常に薄いため、すぐに月の裏側に隠れてしまうので、わずかな時間しか観測することができません。皆既が終わる第3接触の直前に観測する場合は、太陽光に目をやられないように注意が必要です。

シャドーバンド

シャドーバンドは縞模様状に薄い影が、地表面を速い速度でさざ波のように流れていく現象です。皆既日食となる前後、ほんの数分間だけしか見ることができません。また、皆既日食の際に毎回見られるわけでもありません。非常に淡い現象ですから、太陽の方に気を取られていると見逃してしまいますので注意しましょう。

本影錐

月の本影は月から地球に至るまで長大な円錐形をつくっています。この影が皆既日食となる直前に見ることができ、本影錐と呼ばれています。皆既日食となる数分前頃、西の方に目をやると、月の本影が作る大きな黒い影が太陽方向にすごい速度で迫ってくるのがわかります。シャドーバンドと同様に、太陽の方に気を取られていると見逃してしまいます。

日食焼け

皆既日食中は地平線付近の空が全周にわたって夕焼けのように赤くなります。これは日食焼けと呼ばれる現象で、皆既日食中の黒い太陽の美しさが一段と映えます。

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