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計算精度

計算精度

ここでは「つるちゃんの日食ソフト」が持つ計算精度について解説します。

時刻に換算した計算精度

概ね10秒以内の精度

「つるちゃんの日食ソフト」では、西暦2000年近辺の場合、時刻換算で10秒以内の精度があります。これは経験的に示すもので、その精度を保障するものではありません。当然のことながらこの計算精度は、観測地の緯度と経度および標高が、秒やメートルまで正確に入力されていることが前提となります。

金環日食の考え方

金環日食についてはベイリービーズ状態を金環日食として計算します。このため完全に太陽がつながった場合を想定した計算と比べると、中心線に近い場所では5秒程度、金環帯の端の方では30秒から1分程度の違いが生じます。これは誤差というよりも、考え方の違いによるといった方がよいでしょう。

デルタT値について

地球自転のふらつきを反映させるため、デルタTという値を設定します。この値は将来の値はわかりませんから、現在の値から予測するしかありません。
※2009年トカラ列島皆既日食の場合、観測地とデルタTを正確に入力すると、平均月縁で計算された正確な予報値に対し、時間にして0.5秒以内の精度があるようでした。

月の質量中心と形状中心

通常、天体位置の計算では天体の質量中心位置を計算します。しかし月の場合は質量中心と見かけ上の形状中心位置にわずかにズレがあります。これを補正することによって予報の精度が向上します。「つるちゃんの日食ソフト」では、バージョン2.2.0以降で補正に対応しています。

月縁補正

皆既日食での月縁補正には対応していません。皆既日食や金環日食で秒単位での計算精度が必要な場合は、本プログラムを使用しない方がよいでしょう。

2012年金環日食の北限線からみた計算精度

次に、2012年の金環日食を例にして計算精度をみてみます。この金環日食では金環帯の北限線が兵庫県明石市を通っています。NASAが計算したものと「つるちゃんの日食ソフト」を使ったものとを地図上で比べてみたところ、200m強ほどの違いしか生じませんでした。これだけでは何とも言えないところもありますが、それなりの計算精度があるようにも思われます。

 

 

NASA計算結果との比較
※もとの画像提供:NASA、Google

 

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