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日食グラスを使う

日食グラスや日食メガネを使う

日食グラスの表側
日食グラスの表側
 
日食グラスの裏側
日食グラスの裏側
※2009年ビクセン製の例
撮影者:つるちゃん
二次利用可

日食グラスとは

安全に日食観察するために当サイトで最もオススメしたいのは、専用に作られた減光フィルターを使用することです。これは日食グラスや日食メガネなどの名前で販売されているもので、日食を肉眼で観測するために開発された専用のフィルターです。ブルーライトを含んだ可視光線はもちろん、赤外線や紫外線を理想的にカットしてくれるので、安心して使用することができます。

構造

構造はいたって単純で、両目を当てる部分に埋め込まれた遮光プレートと、本体部からなります。遮光プレートには表面と裏面がありますから、目を当てる側を間違えないようにしましょう。製品にもよりますが、ビクセン製の日食グラスの場合、表側は光を反射して鏡のように見えます。裏面側は黒い色をしており、こちら側から目を当てて観察します。

性能

日食グラスや日食メガネの性能は、遮光プレートが有害な光をどれくらいカットできるかによります。優秀な製品では理論上、7時間も連続使用して問題ないとされています。しかし、周囲の光が目に入りますし、観測時の条件にもよります。また個人差もありますから、あまり過信しない方がよいでしょう。右上の製品の場合ですと、説明書には連続使用は2、3分にとどめておくように注意書きがあります。

 

プラスチック製の黒い下敷きなどを使っても太陽光は弱まって見えます。しかし日食グラスとは違って、赤外線領域の光に対しては、ほとんど透明といってもよいくらいにカットされません。見た目はまぶしさを感じませんので長時間使ってしまいますが、実は目に見えない危険な光がどんどん目に入ってきて非常に危険です。これに対して日食グラスは可視光や紫外線領域はもちろんですが、赤外線領域もカットしてくれるので安心です。

安全基準

ここで、日食グラスや日食メガネの安全基準について触れておきます。日本では明確な安全基準がありませんが、ひとつの目安となるのが「JIS T8141、遮光度番号13以上」です。これは溶接光の遮光保護具の規格です。この規格に準拠したものは、使用しても安全だと考えられます。

 

最近よく用いられているのが、カナダのチョウ博士(ウォータールー大学教授/国際天文学連合アドバイザー)が提唱している「可視光で0.003%未満、赤外線で0.5%以下」というものです。これは、長時間観察しても目にダメージを与えないことを基準に算出したものですから、この基準が満たされた日食グラスや日食メガネを使っても安全と考えてよいでしょう。

 

EU圏では法的な面から欧州指令とよばれる規制や制限が定められています。太陽を直視するための欧州規格としては「EN1836:2005」というのがあります。これに準拠して流通が認められた製品には、CEマークが貼られていますので、これもひとつの目安となるでしょう。

使い方

日食グラスの場合は本体部分の端を両手で持ち、遮光プレートがある部分をできるだけ目に近づけます。目に近づけ方が少ないと、横から太陽光が入って太陽が見づらいばかりでなく、目に負担をかけてしまうことになります。日食グラスを目に近づけた状態で太陽の方を向くと、太陽を観察することができます。

 

太陽は思ったよりも暗く見えますから、最初はどこに太陽があるのかわかりにくいかもしれません。しかし見え方がわかってしまうと、次からは簡単に見つけることができます。

 

日食メガネの場合も使い方は簡単で、普通のメガネのように使用します。すでにメガネをかけている方はその上から着用しますが、なにかと外れやすくなります。手を添えるなどして気をつけましょう。

注意点

一番大切なことは取扱説明書にしたがって使用することです。これを前提に少しだけ注意点を補足しましょう。

 

まず太陽を最初に見つけるときです。もしすぐに太陽が見つけられなくても、日食グラスを目から離して太陽を直視してはいけません。何のために日食グラスや日食メガネを使っているのかわからなくなってしまいます。

 

それから日食を見続けたいのはわかりますが、1、2分したら一度太陽から目を離して休むようにしてください。日食グラスをあまり過信しないで、長時間見続けるのは避けるようにします。また、少しでも目が疲れたと思ったら、それがあなたの限界です。すぐに目を休めるようにしましょう。

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