日食ナビ

現在位置

長野県
東御市

長野県東御市

住所 長野県東御市県281−2
緯度 北緯 36゚22'
経度 東経 138゚20'
標高 約 535m

長野県東御市では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることができます。金環が始まる時間は7時34分23秒、終わる時間は7時35分4秒で、41秒間継続します。つまり継続時間は1分間に満たず、きわどい金環日食といえます。

東御市の部分日食は6時20分3秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は19度です。高度がそこそこありますから、地球大気による影響が少なくてすみます。最大食は7時34分44秒で、高度は34度です。食分は0.940で、先にも書きましたように金環日食が見られます。また終了時刻は9時1分36秒で、高度は51度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間41分33秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。

 

日食の始まり 6時20分3秒 日食の終わり 9時1分36秒

欠け始め:6時20分3秒

欠け終わり:9時1分36秒

東御市で金環日食が始まる頃、太陽の右下側が最も細くなっています。最大食の頃になっても右下側が細くなっていることに変わりはありません。このことは金環日食が終わる頃でも同じで、金環食中はずっと右下側が細い状態が続きます。これは金環状態がごく短時間で終わってしまうためです。東御市は金環帯の端の方に位置するため、金環日食中は太陽の環がとぎれとぎれになるベイリービーズ状態が長く継続します。このようすをじっくり観察しましょう。

東御市における太陽リングの真円率は0.9%です。東御市は限界線に近いため、ギリギリのきわどい金環日食となります。また[平均月縁]による予報値よりも実際の継続時間はもう少し短くなると考えられます。少し大きめの月縁で計算した[大きめの月縁による金環日食データ]の表をご覧いただいた方がよいでしょう。

 

金環開始 7時34分23秒 最大食 7時34分44秒 金環終了 7時35分4秒

金環始まり:7時34分23秒

最大食:7時34分44秒、食分:0.940

金環終わり:7時35分4秒

最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。

画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。

 

7分前

7時27分44秒

6分前

7時28分44秒

5分前

7時29分44秒

4分前

7時30分44秒

3分前

7時31分44秒

食分 0.880 0.891 0.902 0.913 0.923 部分食

2分前

7時32分44秒

1分前

7時33分44秒

最大食

7時34分44秒

1分後

7時35分44秒

2分後

7時36分44秒

0.932 部分食 0.938 部分食 0.940 金環食 0.938 部分食 0.932 部分食

3分後

7時37分44秒

4分後

7時38分44秒

5分後

7時39分44秒

6分後

7時40分44秒

7分後

7時41分44秒

0.923 部分食 0.913 0.903 0.892 0.881

皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。金環日食の場合、月の高い山が太陽リングから突き出てしまって、環が完全につながらないことがあります。特に金環帯の端の地域では、次の項目で示す「大きめの月縁」を使った計算結果を用いた方がよいでしょう。

表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。

 

データ 時刻 P V h A
日食の始まり 6時20分 3秒 252.2 309.6 19.0 78.5
金環日食の始まり 7時34分23秒 171.3 230.6 33.8 88.7
食の最大 7時34分44秒 163.2 222.5 33.9 88.7
金環日食の終わり 7時35分 4秒 155.6 214.9 34.0 88.8
日食の終わり 9時 1分36秒 74.9 131.8 51.3 103.4
最大食分 0.940
本影中心までの距離 110Km
金環継続時間 0分41秒
太陽リング真円率 0.9%

平均月縁よりもやや大きめの月縁で独自に計算した金環日食データです。一般的な平均月縁で計算するよりも、少しきつめに時刻計算されますので、特に限界線付近の観測地では、こちらのデータを参照された方がよいでしょう。また、限界線から離れていたり、中心線に近い観測地であっても、月面の凹凸を考慮した精密な計算値に近くなり、こちらのデータを参照された方が良いケースが多くなります。東御市は限界線付近に位置するため、大きめの月縁で計算した場合は金環日食にならないことがわかります。

 

データ 時刻 P V h A
金環日食の始まり          
金環日食の終わり          
金環継続時間  
太陽リング真円率  

2012年5月21日の日食で、東御市において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、東御市ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。

 

  • 6時20分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
  • 6時40分の食分は0.27です。全体の3割程度が欠けた状態です。日食が始まった直後と比べると食が進行し、少し日食らしくなってきました。
  • 7時0分の食分は0.53です。直径のおよそ半分が欠けるところまで進行してきました。しかし、空はまだそれほど暗くなっておらず、太陽が欠けていることに気づかない人も多いでしょう。
  • 7時20分の食分は0.79です。全体の8割近くまで欠けてきました。空も少し暗くなってきて、明るい金星くらいなら、肉眼でもなんとか見つけられるでしょう。日食はピークが近づいています。
  • 7時34分44秒に最大食を迎えます。食分は0.940で、東御市では金環日食が見られます。
  • 7時40分の食分は0.90です。太陽の9割ほどが欠けた状態です。大きな日食が引き続き継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
  • 8時0分の食分は0.67です。最大食の頃と比べると、太陽はだいぶ太くなってきました。
  • 8時20分の食分は0.44です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
  • 8時40分の食分は0.23です。太陽直径のおよそ5分の1だけが欠けた状態です。日食も終盤になりました。
  • 9時0分の食分は0.02です。太陽はほんのわずか欠けた程度です。日食も終わりまであとわずかです。
  • 9時20分の食分はありません。日食は終了しました。
  •  

6時0分 6時10分 6時20分 6時30分 6時40分 6時50分
      食分 0.137 0.272 0.404
7時0分 7時10分 7時20分 7時30分 7時40分 7時50分
0.534 0.662 0.787 0.905 部分食 0.900 0.786
8時0分 8時10分 8時20分 8時30分 8時40分 8時50分
0.670 0.556 0.445 0.335 0.227 0.121
9時0分 9時10分 9時20分 9時30分 9時40分 9時50分
0.016          

下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。東御市で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ12度の位置に見えます。高度は19度で、比較的低い位置です。最大食の頃になると、太陽はほぼ真東の位置まで移動します。高度は34度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。日食が終わる頃には真東から南の方向へ13度の位置にやってきます。また、高度は51度で、空の中ほどに見えますが、少し見上げるような高さです。

 

長野県東御市で太陽が見える方向

上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。

ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、真東から北の方向へ20度のところです。高度は18度で、比較的低い位置です。

太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。

 

2012年金環日食