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赤道儀

赤道儀

太陽の動きを追尾するのに便利な架台が赤道儀です。赤道儀を使うと太陽の動きに合わせて自動で追尾することができます。

動く太陽

地球が自転していることは誰もがご存知でしょう。地球の自転によって太陽は、毎朝東の空から昇ってきて、夕方になると西の空へ沈んでいきます。ということは、太陽は時間の経過とともに位置が動いていることになります。日食撮影の際は太陽の位置が動いていることに注意しなければなりません。せっかく構図を決めても、時間が経つと太陽の位置がズレてしまうのです。日食は長い時で2時間半も続きますから、追尾し続けるのは意外と大変な作業になります。そんなわずらわしさから開放してくれるのが赤道儀です。

赤道儀とは

赤道儀
赤道儀の写真
画像提供:株式会社ビクセン
製品名:GP2赤道儀
二次利用不可

太陽の動き(正確には恒星の動き)に合わせて簡単に追尾できるようにした架台を赤道儀といいます。赤道儀とモーターを組み合わせることで、自動で太陽を追尾することが可能になります。赤道儀は天体写真撮影では必須となる機材ですが、日食撮影の場合は、特に望遠レンズや天体望遠鏡を使って撮影する際に威力を発揮します。

赤道儀は赤経軸と赤緯軸とよばれる二つの回転軸があり、2方向に回転することができます。これは地球の自転方向および、これに垂直な方向です。この動き方は今ひとつピンとこなくて最初は戸惑いますが、使っていくうちにだんだん慣れてきます。

メリット

赤道儀を使うと太陽を自動で追尾できるのが最大のメリットです。そのために赤道儀を使うと言っても過言ではありません。特に太陽をクローズアップした写真を撮影する際に、追尾を行うというストレスなしに、撮影に集中することができます。複数台のカメラを使って撮影する場合も、太陽を追尾することによる構図決めの時間を短縮できるので、メリットを享受できるでしょう。

デメリット

赤道儀のデメリットもいくつかあります。まず第一に高価なことです。三脚だけを購入するのと比べると、一桁高くついてしまいます。

また、重量が重くなるのもデメリットです。飛行機で遠征される場合は重量制限や追加料金というペナルティもありますから、これにかからないように注意しなければなりません。

それから赤道儀は、極軸合わせという作業が必要になります。これは、赤道儀の回転軸を地球の自転軸と平行にする作業のことで、北極星をはじめとした恒星が利用されます。ところが日食は日中に起こる現象ですから、極軸合わせに恒星を使うことができません。このため手探りで極軸合わせを行わなければならず、追尾の精度が夜間と比べて落ちてしまいます。

ポータブル赤道儀

ポータブル赤道儀
ポタ赤の写真
画像提供:株式会社ビクセン
製品名:GP2ガイドパックS
二次利用不可

天体望遠鏡を使わずに望遠カメラによる撮影だけの場合は、天体望遠鏡用の赤道儀よりも、もっと手軽で機動性に富んだ赤道儀を選択することも可能です。

これはポータブル赤道儀(ポタ赤)や星野赤道儀と呼ばれているもので、本来は手軽に星の星野写真撮影を目的に作られたものです。通常の赤道儀よりも軽量化がはかられているため、移動して撮影するのに最適です。また、普通の赤道儀と同様に自動追尾ができますし、複数のカメラを搭載できますから、それなりにメリットがあります。

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