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空の明るさ

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意外と明るい金環日食

金環日食というと太陽の光がほとんど届かなくなり、空が暗くなるのではないかと思われるかもしれません。しかし実際には、金環日食中の空は意外と明るいものです。

太陽の光量

2012年5月21日に起こる日食の場合、東京での食分は0.97です。この数字だけから判断すると、太陽の97%が欠けて見えるように思われるでしょう。しかし食分のページをお読みいただくとわかるように、食分は欠けた部分の面積比を表すものではありません。

 

今回の日食では、金環中の太陽と月の視直径比は0.94ほどですから、面積比になおすと0.94の2乗となります。つまり、実際には88%の面積が月によって隠されることになります。金環日食とはいえ、太陽面積の1割以上の光が届いていることになりますから、空は思ったよりも明るく感じることでしょう。

周辺減光

太陽の光量は太陽面の全体において均一というわけではありません。縁の方へ近づくほど暗くなっており、周辺減光とよんでいます。金環日食中に光るリング部分の中央付近では、太陽の中心あたりと比べると半分くらいの光量になると言われています。それでもやはり、太陽の光は強烈です。空が真っ暗になるようなことはなく、曇天時よりも少し暗い程度でしょう。

星が見えるか?

空が暗くなったら星が見えるのではないか。そう思われるかもしれませんね。しかし実際に星を見るのはかなり難しいでしょう。そんな中で唯一、金星だけは見えるのではないかと思います。金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。最大食の頃には肉眼で確認することができるでしょう。

 

最大食の頃、東京新宿区から金星が見える位置
太陽と金星の位置関係。金星は太陽の左下方向に見える
2012年金環日食