北海道新十津川町
新十津川町のデータ
住所 | 北海道樺戸郡新十津川町字中央301−1 |
---|---|
緯度 | 北緯 43゚33' |
経度 | 東経 141゚52' |
標高 | 約 29m |
日食の見え方概要
北海道新十津川町では、2012年5月21日の日食で金環日食を見ることはできません。
新十津川町の部分日食は6時34分14秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は25度です。高度がそこそこありますから、地球大気による影響が少なくてすみます。最大食は7時51分14秒で、高度は39度です。食分は0.835ですから、三日月のように細くなった珍しい太陽の形を観察できるでしょう。また終了時刻は9時19分12秒で、高度は54度です。この瞬間に太陽の左下側から月が離れてしまい、2時間44分59秒間にわたって続いた日食もこれで終了します。
日食の始まり 6時34分14秒 | 日食の終わり 9時19分12秒 | |
---|---|---|
最大食のようす
最大食となる頃、新十津川町では太陽の右下側が欠けた状態になります。食分は0.835で、近年見られる日食としては、相当大きな欠け方です。
最大食 7時51分14秒 |
---|
最大食となる前後7分間の見え方
最大食となる前後は、三日月形をした太陽が欠けた方向やその欠け際、金環日食中の太陽リングの形など、太陽のようすが大きく一気に変化します。こういった変化を観察して楽しむのは、大きな日食ならではの醍醐味といえるでしょう。そこで、最大食となる前後7分間にわたって1分単位で、太陽の欠け方を図で示しました。実際にご覧になる際の参考にしていただければと思います。
画像の下には食分を示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.92を超える場合は、画像下に「部分食」または「金環食」のコメントを書いていますので注意してください。
7分前 7時44分14秒 |
6分前 7時45分14秒 |
5分前 7時46分14秒 |
4分前 7時47分14秒 |
3分前 7時48分14秒 |
---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
食分 0.812 | 0.818 | 0.823 | 0.827 | 0.831 |
2分前 7時49分14秒 |
1分前 7時50分14秒 |
最大食 7時51分14秒 |
1分後 7時52分14秒 |
2分後 7時53分14秒 |
---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
0.833 | 0.835 | 0.835 | 0.835 | 0.833 |
3分後 7時54分14秒 |
4分後 7時55分14秒 |
5分後 7時56分14秒 |
6分後 7時57分14秒 |
7分後 7時58分14秒 |
---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
0.831 | 0.828 | 0.823 | 0.818 | 0.813 |
平均月縁による日食データ
皆既日食以外の日食計算で用いられる、一般的な平均月縁を使って計算したデータです。
表に出てくる略号は、Pは位置角、Vは天頂角、hは太陽高度、Aは方位角(北基準、時計回り)を意味します。詳しくは、[用語集]の中にある[日食データで使われる用語]の各ページをお読みください。
データ | 時刻 | P | V | h | A |
---|---|---|---|---|---|
日食の始まり | 6時34分14秒 | 246.7 | 297.2 | 25.4 | 85.6 |
金環日食の始まり | |||||
食の最大 | 7時51分14秒 | 164.3 | 214.2 | 39.3 | 99.3 |
金環日食の終わり | |||||
日食の終わり | 9時19分12秒 | 82.6 | 124.6 | 54.3 | 120.3 |
最大食分 | 0.835 | ||||
本影中心までの距離 | 500Km | ||||
金環継続時間 | |||||
太陽リング真円率 |
日食の経過
2012年5月21日の日食で、新十津川町において太陽がどのように欠けるのか、10分ごとに図で示しました。あわせて画像の下には食分も示しておきました。画像が小さいため、金環日食なのに部分日食のように見えたり、部分日食なのに金環日食のように見えることがあります。食分が0.9を超える場合は、画像下に書かれた「部分食」または「金環食」のコメントに注意してください。また、新十津川町ではどのような経過をたどるのか、20分間隔で解説を加えましたので参考にしてください。
- 6時20分の食分はありません。まだ日食は始まっていません。
- 6時40分の食分は0.08です。わずかに欠けた程度ですが、よく見ると肉眼でも太陽が欠けていることがわかるでしょう。
- 7時0分の食分は0.33です。全体の3割程度が欠けた状態です。日食が始まった直後と比べると食が進行し、少し日食らしくなってきました。
- 7時20分の食分は0.57です。全体の6割くらいまで欠け、太陽からの光量は普段の半分程度にまで減少しています。屋外にいる人は、空が暗くなってきていることに、そろそろ気づき始めます。
- 7時40分の食分は0.78です。全体の8割近くまで欠けてきました。空も少し暗くなってきて、明るい金星くらいなら、肉眼でもなんとか見つけられるでしょう。日食はピークが近づいています。
- 7時51分14秒に最大食を迎えます。食分は0.835で、新十津川町では大きな部分日食が見られます。
- 8時0分の食分は0.80です。太陽は全体の2割ほどしか光っておらず、まだまだ大きく欠けた日食状態が継続しています。しかし、日食はピークを過ぎました。
- 8時20分の食分は0.62です。まだ全体の6割くらい欠けていますが、太陽からの光量は普段のおよそ半分のところまで戻ってきました。
- 8時40分の食分は0.41です。太陽の約4割が欠けており、半分以上が復帰したことになります。
- 9時0分の食分は0.20です。太陽直径のおよそ5分の1だけが欠けた状態です。日食も終盤になりました。
- 9時20分の食分はありません。日食は終了しました。
6時0分 | 6時10分 | 6時20分 | 6時30分 | 6時40分 | 6時50分 |
---|---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
食分 0.076 | 0.204 |
7時0分 | 7時10分 | 7時20分 | 7時30分 | 7時40分 | 7時50分 |
---|---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
0.330 | 0.453 | 0.572 | 0.684 | 0.781 | 0.835 |
8時0分 | 8時10分 | 8時20分 | 8時30分 | 8時40分 | 8時50分 |
---|---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
0.801 | 0.716 | 0.615 | 0.511 | 0.406 | 0.301 |
9時0分 | 9時10分 | 9時20分 | 9時30分 | 9時40分 | 9時50分 |
---|---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
0.197 | 0.094 |
太陽が見える位置
下の図をご覧ください。これは、日食の開始/最大食/終了の際に、太陽が見える位置を示したものです。新十津川町で日食が始まる頃、太陽は真東から北の方向へ4度の位置に見えます。高度は25度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。最大食の頃になると、太陽は真東から南の方向へ9度の位置まで移動します。高度は39度で、空の中ほどに見えます。日食観察するにはちょうどよい高さでしょう。日食が終わる頃には南東から東の方向へ15度の位置にやってきます。また、高度は54度で、空の中ほどに見えますが、少し見上げるような高さです。
![]() |
日食中に見える星
上の星図は、最大食時にどのような星が見えるか、その概略を示したものです。しかし、空は思ったよりも明るいため、実際に見ることができる星は限られます。太陽の背景にはおうし座があり、太陽のごく近くにすばるの星たちがあるのですが、実際に見ることはできません。
ところで金星は非常に明るくて、当日の明るさは-4.3等です。そして、気になる太陽からの離角は23.4度です。金星としては太陽から離れているとは言いがたい離角ですが、最大食の頃には肉眼で確認することも可能ではないでしょうか。それから金星が見える方角は、真東から北の方向へ13度のところです。高度は26度で、やや低いところに見えますが、観察するにはまずまずの高さといえます。高い木や建物の近くでは、太陽が陰に隠れてしまう恐れがありますから注意してください。
太陽のすぐ右上には木星があります。明るさは-2.0等ですが、太陽から5.4度しか離れておらず、さすがに肉眼で確認するのは難しいでしょう。木星のすぐ近くに-1.5等で見える水星も同様で、肉眼での観察は難しいと思われます。いずれも太陽から近い場所に見えますから、誤って太陽を直視しないように細心の注意をはらってください。